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2025.10.10

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【無垢材の話③】無垢材の家のお手入れ・メンテナンス方法

【無垢材の話③】無垢材の家のお手入れ・メンテナンス方法

長く美しく暮らすために ― 無垢材のお手入れガイド

髙勝の家は、宮城県産の無垢材をふんだんに使った家づくりを行っています。

地元・宮城で育った木材は、この地域の気候風土と相性がよく、その特性を生かして快適な住環境を実現します。

一方で、無垢材は「温もり」や「香り」「時間と共に育つ風合い」といった魅力がある反面、伸縮・傷・シミ・湿度変化といった“素材ゆえのクセ”も伴います。
だからこそ、日々のケアと定期的なメンテナンスをしっかり行うことが、無垢材住宅を長く、美しく保つ秘訣となります。

 

以下では、無垢材の家をより快適に、かつ美しく使い続けるための日常のお手入れ方法傷やシミへの対応策湿度管理のポイント定期メンテナンスの方法、さらにメンテナンスを通じて愛着を育む視点まで、段階を追って詳しく解説します。

 

 

1. 日常のお手入れ ― シンプルな手順が細部を守る

無垢材の家を美しく保つ基本は、「過剰な手入れをせず、適度に手をかけること」です。

無理な磨きや強い薬剤を使うことは、かえって木材を傷める原因となります。

以下は、日々取り入れられるベーシックなお手入れ法です。

 

  • ほこり・ゴミの除去
     乾いた布、マイクロファイバークロス、やわらかいモップなどで、床や家具表面のホコリをやさしく払います。掃除機を併用して、目に見えにくい細かいゴミを吸い取るのも有効です。無垢材表面にゴミや微細な砂が残っていると、それ自体が傷の原因になることもあります。

  • 軽い水拭き
     どうしても拭き跡や汚れが気になるときは、硬く絞った布(またはモップ)を薄く水で湿らせた状態で、優しく拭く程度に留めます。水を含みすぎた布で拭くと、木材の膨張や変形、シミの原因になるためです。

  • 注意点:過度な水分は NG
     無垢材は水分を吸収・放出する性質があるため、過剰な水分接触は木部の膨張・割れ・シミの原因になります。床・壁・天井など、できるだけ水を使わないお手入れを心がけ、拭き取るときは水気が残らないよう必ず乾拭きで仕上げるようにします。

 

このように、ごく基本的なステップであっても、継続して丁寧に行うことで、無垢材の良さを維持する土台が整います。

 

 

2. 傷やシミへの対応 ― 早めのケアが大切

暮らしの中では、うっかり傷をつけてしまったり、飲み物や水をこぼしてしまったりというシーンは避けられません。

無垢材ならではの自然な応答力を活かしつつ、適切なケアを施すことで、見た目と性能を保つことができます。

 

  • 小さな傷・引っ掻き跡
     浅い傷であれば、まずは「やすりがけ」で目立ちにくくする方法があります。紙やすり(細かめ番手)で軽く研磨し、その後、自然塗料やオイルで保護膜を与えると、表面の調和を図れます。ただし強く研磨しすぎると周囲との色味差が生じることもあるので、慎重に行うことが肝心です。

  • 水・飲料のこぼし・染み
     こぼした場合は、できるだけすぐに乾いた布で拭き取るのが基本です。放置すると染み込みやすくなります。もし染みが残ってしまった場合は、部分的な研磨+再オイル処理、もしくは専門業者に相談する方法もあります。無垢材の強みは、このような“修復可能性”です。磨き直しや再仕上げによって、元の風合いをかなり取り戻せることがあります。

  • 深い傷や凹み
     家具の足が当たった跡や重い物を落とした凹みなどは、自己対応が難しい場合もあります。その際は、プロの補修技術を利用すると仕上がりがきれいです。無垢材用の補修キットや専門施工も可能ですので、早めに相談することをおすすめします。

 

 

3. 湿度管理の重要性 ― 無垢材と室内環境の関係

無垢材は湿度変化に敏感で、その吸収・放出作用が性能上のメリットにもデメリットにもなり得ます。

最適な湿度環境を保つことは、無垢材の寿命と美観に直結します。

 

  • 推奨湿度:40~60%
     一年を通して、室内湿度を大まかに 40~60%前後 に保つのが理想的とされています。これにより、木材の反り・割れ・変形を抑えやすくなります。

  • 季節別注意ポイント
     - 冬の乾燥期:暖房によって空気が乾燥しやすくなり、無垢材が水分を過剰に放出し、収縮や隙間発生に繋がることがあります。加湿器を適切に使い、湿度を補うように意識を向けましょう。
     - 梅雨~夏:湿度が高くなる時期は、無垢材が余分な水分を吸収し、膨張・反り・割れなどの要因となります。除湿器や換気、エアコン除湿運転などを活用し、湿度上昇を抑える工夫が必要です。

  • 加湿器・除湿器・換気の活用
     湿度コントロールの基本手段として、加湿器・除湿器・換気設備を併用するのが効果的です。特に季節の変わり目や外気湿度が急変する時期には、こまめに調整することが大切です。

 

適切な湿度環境を維持することで、無垢材の伸縮を抑え、床・壁・天井のバランスを保ち、美しい状態を長期間維持できます。

 

 

4. 定期的なメンテナンス ― 手をかけるからこそ育つ家

日常ケアだけでなく、年に数回程度の定期メンテナンスを取り入れることで、無垢材の風合いを維持しつつ、耐久性を高めることが可能です。

 

  • オイル・自然塗料の再塗布
     1年に1~数回を目安に、表面に自然系のオイルや塗料を塗布することで、木の表情が際立ち艶を保てます。特に乾燥しやすい部位や日差しが当たりやすい場所は、劣化しやすいため重点的に塗布を行うと良いでしょう。
     使用する塗料は、安全性と木材相性を考えた自然塗料やオイル系がおすすめで、お子さまやペットがいる家庭でも安心して使えるものを選びたいところです。

  • 点検・補修
     定期的に木材の状態をチェックし、反り・割れ・隙間・浮き・釘や接合部の緩みなどがないか確認します。異常があれば早めに補修を検討することが、将来的な劣化を防ぐ鍵です。

  • 日差し・紫外線対策
     無垢材は直射日光や紫外線の影響を受けやすく、長時間照射されると変色・褪色が起こることもあります。カーテン・ブラインド・ロールスクリーン・庇・日除けルーバーなどを併用して、日差しを調整する工夫を設けることが効果的です。

  • 家具・什器の扱い
     重い家具を無垢床上に動かすと、圧力の集中で凹みや傷になる可能性があります。敷物を敷く、脚部にフェルトを貼る、ゆっくり移動するなどの配慮も、素材保護の一手となります。

 

こうした定期的なメンテナンスを習慣化することで、無垢材の持つ自然な表情や温もりを損なわずに、長く美しさを保ち続ける家に育てることができます。

 

 

5. 愛着が深まる素材 ― メンテナンスは家と暮らしをつなぐ時間

無垢材は、手をかければかけるほど応えてくれる素材です。

日常のお手入れや定期メンテナンスを通じて、木材との「対話」を重ねることが、住まいへの愛着を育みます。

わずかな変化やメンテナンスの跡も、家と暮らしに歴史を刻む証となり、年月と共に味わい深い表情へと変化していきます。

日々のケアが、家族と住まいをつなぐ時間になる――

そんな視点をもっていただければ、無垢材住宅の暮らしはより豊かなものになるでしょう。

 

髙勝の家では、モデルハウスで実際のメンテナンス跡や経年変化をご覧いただけます。

素材感・経年美化・変化の過程を感じ取っていただくことで、無垢材を選ぶ確かな判断材料になれば幸いです。

どうぞご足労いただき、五感すべてで“木と育つ暮らし”を体感してみてください。

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